2025年12月14日
職場の「不登校保護者VSしわ寄せを受けるその他社員」問題を考える
先日、~不登校児持つ社員に休日追加…JR西日本が2026年4月から全職種対象に最大で月4日、「キャリアあきらめずに活躍できる職場に」~という記事を同僚から見せてもらいました。(2025年12月11日読売新聞)ニュースサイトでも取り上げられたため、そこには賛否両論さまざまな意見が寄せられていました。不登校保護者にとって必要な会社の支援とはどのようなものなのでしょうか。この機会に考えてみました。
【参考】不登校児持つ社員に休日追加…JR西日本が2026年4月から全職種対象に最大で月4日
不登校保護者のための休暇ができた
JR西日本では2026年4月から不登校の子を持つ保護者が月4日の休日を追加でとれる制度を導入するそうです。深刻な人手不足に対応するため柔軟な働き方を支援するという狙いのようです。ニュースサイトのコメント欄に賛否両論(どちらかと言うと「否」が多め)の意見が寄せられていました。
不登校の子どもが35万人いるなら、その親はその2倍近くの70万人弱いるとすると、日本の就労人口6781万人(2024年統計)の約100分の1、100人に一人くらいはいることになります。しかもそれは働き盛りの世代に集中するため、大企業であればそれなりのインパクトが出始めてきているのかもしれません。
この取り組みについてとりあげたニュースのコメント欄には、否定的な意見が多く見られたのですが、大別すると以下の内容です。
・不登校の保護者が休んだ分、他の社員の負担が増えて不公平だ
・子どもが不登校だと証明できるのか
・月4日という休みの取り方が現実に即していない。遅刻・中抜けなど柔軟な対応ができた方が良い
意外に、実際にお子さんが不登校と思われる方も否定的な反応でした。自身がこの休暇を申請できるだろうか?と考えた時に不公平に対する周囲の反発や、自身の子が不登校であるという事情説明の心理的負担などを想像してしまうのでしょう。
申請しにくい休暇という意味では女性の「生理休暇」とか「不妊治療休暇」と少し似た性質があるかもしれません。
「時短ママパパ」VS「その他社員」の論争とも似ている
また「他の社員の負担が増えて不公平だ」という指摘は、育児のため時短勤務で復帰した社員とその他社員の間でもよく話題になる論点です。理屈で考えれば、社内でバトルしている場合ではなく、ライバル会社と、あるいは国際競争の中で戦うためには、一人でも多くの社員が力を発揮する必要があるのですが・・・
恐らく理屈ではなく「感情」の部分が刺激されてしまっているのでしょうね。「引継ぎも不十分なまま突然仕事を投げ出す」「当然の権利とばかり、御礼もお詫びもなく他者に任せる」といった休暇を取る際の「立ち居振る舞い」みたいなものについて、嫌な思いをしたことがあると前向きになれないことでしょう。
JR西日本が示した最適解
さて、不登校保護者に対する休暇だけが切り取られたJR西日本ですが、調べてみると、従業員の多様性を尊重する企業であることがよくわかります。育児や介護はもちろん、「男性の育児休職平均91.6日」「有給休暇の積み立て制度(ここぞという時に使える)」「同性のパートナーを配偶者として認める」など、先進的な取り組みがあり”お互い様”の精神が根付いているとのことです。
つまり、もともと様々な背景を持つ従業員が働きやすいように様々な制度を用意していて、その1つが「不登校保護者」を対象にしたものだったということです。不登校保護者ばかりを優遇しているというわけでは無さそうです。「不公平感」は社内でも当然議論されていることでしょう。
こうした背景を知ると、批判的な皆さんも考えが変わるかもしれません。良い意味で考えるきっかけになる記事でした。
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