ホームkeyboard_arrow_right記事一覧keyboard_arrow_right

【ギスギス期】 不登校中、学校からの「安否確認」がつらい 

2026/6/13

【ギスギス期】 不登校中、学校からの「安否確認」がつらい 

子どもが学校に行かない不登校の状態になると、学校の先生からも様々な連絡をいただくようになります。通常の業務もある中、不登校である我が子にも対応してくださる事には感謝の気持ちでいっぱい・・・のはずなのですが、なぜか、先生が熱心であればあるほど、保護者が辛くなってしまうという現実があります。

どうしてこのような事が起こってしまうのでしょうか?
今回は、不登校の子どもの保護者としての経験を持つ私が、その後、フリースクールの代表として学校の先生と交流を持つことになり、わかってきたことをご紹介したいと思います。

筆者自己紹介はこちら→不登校母、通信制高校・フリースクールの立ち上げに立候補しました!

不登校の保護者が初めにぶつかる壁は「欠席連絡をすること」の憂鬱・・・

不登校の子どもの学校への欠席電話、親側のリアル

不登校保護者がつらい事の1つとして「毎日の欠席連絡」はよく話題にあがります。

まず、不登校の初期段階の場合、今日は行けるのか行けないのか?子どもの状況を確認すること、これが一苦労です。「今日も行けない」と言われた時の落胆、怒り、悲しみ、不安、諦め、沸き起こる様々な感情を抑え込み、ようやく欠席の連絡をすることになります。

この欠席連絡がまた憂鬱です。

初めのうちは「〇年〇組ですか?お名前もう一度・・・あーはい、〇〇さんですね。」と復唱してもらっていたのが、次第に「はい、お休みですね。腹痛ですね。」とスムーズに話が通じるようになると、「はあ・・・常連になってしまった。」「腹痛なんて嘘って思われているよね。どうせ・・・。」「先生が呆れた声をしていた」などと、いらぬ妄想をしてしまうのです。

精神的な負担もそうですが、電話での連絡の場合、学校の先生が出勤してから朝の会が始まるまでの限られた時間内に連絡する必要があるため、時間を見計らう必要があり、朝の忙しい時間帯に一仕事加わってしまい「業務として」の負担も感じます。

教育DX推進により、不登校生の「欠席連絡」にも変化が・・・

しかし、教育DXの推進の影響もあり、欠席連絡の手段として専用アプリやGoogleフォームなどの連絡専用フォームを使う学校・自治体が増えてきました。遅刻や欠席連絡をデジタル化した学校は2024年度 45%→2025年度 55%※と増加しており、欠席連絡のハードルは少しずつ下がっているようです。連絡する時間帯や相手の反応などが気にならないメールやアプリの活用は、今後も広がって欲しいですね。

※参照データ デジタル庁「校務DXの取組状況」

不登校が長期化するとついに「安否確認」が行われるように・・・

さて、不登校に移行する段階の「行き渋り」のような状況が現れ始めてからの学校とのやりとりについて、我が家の事例を交えて3段階で紹介します。

第1段階「校門タッチ」

子どもの行き渋りが始まると、学校の先生から「足が遠のいてしまわないように」ということで、
・朝の挨拶だけ
・好きな授業だけ
・クラブ活動だけ
・保健室や別室への登校
などの部分的な登校を案内されるようになります。

ただ、我が家の場合は・・・こうしたハードルを下げた登校も次第に難しくなってしまいました。

第2段階「家庭訪問」の提案

その後、我が家では、部分的な登校さえも難しくなったため、当分、学校には行けないことをお伝えしました。「お便りを渡さなくてはならない」などの話に対しても「親が取りに行きます」と対応していたのですが、学校の先生からは「家庭訪問をする」という提案をいただくようになりました。

「保護者が仕事で不在なので」とお断りすると、「お子さんだけで大丈夫」とのこと。いくら同性の学校の先生であっても、保護者がいないところで大人と二人で会わせるのは抵抗がありお断りしました。何よりも、「学校の先生が家に来る」ということに当の本人が恐怖心を示していました。

これはお受けしていたらどうなっていたのだろう?と思っていたら・・・私の知人が全く同じ提案を受けて、実際に家庭訪問を受けたケースがありました。実際、小学3年生のお子さんが一人で留守番をしている家に先生がいらっしゃって、玄関先でお話しをしたそうです。

学校の先生との信頼関係や、地域事情によっても感じ方は変わってくるのかも知れませんが、昨今の情勢を考えると抵抗を感じる方は多そうですね。

第3段階・・・ついに「安否確認」

さて、家庭訪問を断った私はついにあの言葉を聞くことになります。

「月に1度は安否確認をしないといけないことになっているので、何とか直接会えませんか?」

(え?今、何て?「安否確認・・・!?」)

初めてこの言葉を聞いた時は、まず耳を疑い、聞き間違いでは無いとわかると、驚くやら情けないやらで何とも言えない気持ちになりました。

「安否確認」・・・私が子どもを虐待しているとでも言わんばかりのこの言葉の選び方に驚いて、担任の先生に対する不信感でいっぱいになってしまったのですが、ネットで調べてみると出てくる出てくる、「安否確認がつらい」という言葉。どうやらこれは先生個人の問題ではないようです。

不登校児童・生徒に対して安否確認が推奨されるのはなぜ?

学校教育法施行令第19条や2015年に文科省から出された生徒の安全確保に関する通知、(連続して欠席し連絡が取れない児童生徒や学校外の集団との関わりの中で被害に遭うおそれがある児童生徒の安全の確保に向けた取組について(通知))に関連する記載がありました。通知は2015年に川崎市の中1の少年が不良グループの少年に河川敷で殺害された事件を機に出されたものです。事件前、少年は学校に来なくなっていました。

この通知では「連続して欠席し連絡が取れない児童生徒等」に対して「担任や養護教諭等は、原則として対面で児童生徒本人と会い、状況を確認する必要がある」ことが明記されています。危惧される状況の例として「家出や行方不明」「集団的不良交友関係」「完全に自室に閉じこもり両親も十分に状況を把握できない場合や自傷行為の危険性がある場合などが想定される」などの言葉も並んでいます。

確かに欠席が続いていて、子どもの姿が確認できない場合に考えられるリスクです。

虐待・非行などの兆候を感知するという機能を学校が担っていてその使命を全うするために先生方が、懸命に連絡をしてくださっている。それなのに、その連絡が不登校の親子を苦しめてしまう。何という悲しいすれ違いでしょう。

この問題について、学校の先生や教育委員会の方と意見交換をした事があるのですが、やはり「安否確認」という言葉をそのまま保護者(=私)に伝えてしまったのは、先生の経験不足・配慮不足の感があるようです。とはいえ、学校には確かにその義務があるということでした。

小中学生がフリースクールで活動した記録を提出することで、学校の出席として認められる事例はかなり一般的になってきました。教育委員会の方によると、「安否確認」もフリースクール等で代替するといった柔軟な対応はできるようです。負担になるようでしたら学校・教育委員会に相談することで解決するかもしれませんね。


【その他関連記事・人気記事のご紹介】

不登校生でも通いやすい!昼間の塾の探し方
【やれやれ期】 不登校の子どもに必要な「回復期間」はどのくらい?
・コクーンアカデミア考案「保護者の8ステップ」

監修者 峰嶋 聡子

コクーンアカデミア代表/株式会社スタディラボ上席執行役員/首都圏大手学習塾にて中学受験算数指導15年/一般財団法人日本アンガーマネジメント協会認定 アンガーマネジメントコンサルタント®/不登校の娘を持つ母/学習塾のノウハウと不登校保護者の視点を組合わせたフリースクールを創業

記事一覧に戻る

Upload File

*