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経験者納得!不登校の子どもが元気になるまでの「親の」8ステップ

2025年9月17日

経験者納得!不登校の子どもが元気になるまでの「親の」8ステップ

不登校の子を持つ経験者の声から作った親のためのロードマップ

子どもが学校に行かなくなってしまったら、親はどうしたらいいのでしょうか。私もある日突然、「不登校の子を持つ保護者」になりました。身近に同じ状況のママ友もいなくて、何をどうしたらいいのかさっぱりわからず、一生懸命どうにかしようとし、結果として、今振り返ると「あの対応は間違っていた」と思うことをたくさんしてしまいました。

今は自身の経験に加えて、学習塾で指導してきた経験をもとに、不登校の親子に寄り添ったフリースクールを開校しています。不登校だった我が子は通信制高校への進学を控え、高校卒業後の夢も語り、元気に過ごしています。

もがいていたあの頃、この先がどうなるのか?が見えないことが一番不安でした。不安な気持ちから焦って間違った方向に進んでしまったと思います。そこで、この出口の見えない「不登校の子を持つ保護者」の道を歩んでいる方のために、ロードマップを作りました。

不登校の「親」のためのロードマップの使用上の注意点

作成したロードマップは、不登校の子を持つ親同士で話していると出てくるそれぞれの「一緒だ!」と思える共通項を取り出したものです。ただし、当たり前ですが、子ども達も一人一人違いますし、親も一人一人違います。そのため、下記に注意して参考にしてもらえればと思います。

注意点1 ”不登校の親”全員が同じ道をたどるわけではありません

ロードマップは、不登校の子どもに対してどのように接して良いかわからない保護者が直面する一般的な問題をもとに作成しています。ですが、お子さまの性格や友達・家族の状況、学校の様子など周囲の条件が変わるとあてはまらない事も出てくることでしょう。また、問題に直面する順番が入れ替わることもあると思います。あてはまるところだけ参考にするくらいの感覚で捉えてみてください。

注意点2 ”不登校解決マニュアル”ではなく”マップ”として活用してください

例えば、ロードマップでは「オロオロ期」の後に「なぜなぜ期」が訪れる、と記しています。これをマニュアルのように「そろそろ『なぜなぜ期』だから原因究明のステップに移らなくては!」という捉え方はしないで欲しいと思います。
「マップ」ですから、まずは現在地がわかれば良いと思っています。「今、私がやっていることは『なぜなぜ期』の行動かもしれない。これってよくあることなのか。自分だけじゃないんだな。」こんな風に、自身を客観的に見るために役立ててもらいたいと思います。

注意点のまとめ~目的はあくまで「親のメタ認知」~

くどくどと注意点を述べてしまいましたが、マップは、「不登校対応、こうすれば解決!」というようなマニュアル・テンプレートを示すことではなく、保護者様が今どのような状況にあるのかを「メタ認知(客観的にとらえる)」できるようにすることを目的に作成しています。大人が慌てず落ち着いた対応ができるようになると不思議とお子さまも元気になってきます。
ある講演会で不登校経験者が「最近、不登校対応がテンプレ化していて危険だ」とおっしゃっていました。私も同感です。テンプレートにお子さまをあてはめようとする、その発想が子どもをコントロールすることにつながり、苦しめてしまうのではないか?そんな危険性を感じます。
そのため、このマップはあくまでも親が自分の状況を客観視するためのツールとして使ってもらえたらと思っています。

不登校保護者のためのロードマップ【本編】

※コクーンアカデミア作成。引用・転載の折は出典の記載をお願いします。

STEP1 まさかうちの子が?これって不登校の始まり?~オロオロ期~

不登校がどのように始まるのか?これはあまり知られていません。そのため、実は不登校が始まっているのに「ただの行き渋り」とか「最近体調が悪い」などと捉えてしまうことがあります。「これってもしかして不登校?いや、ウチのは違う」「本格的な不登校になる前に何とかしなくちゃ」こんな思いを抱えながら「不登校」について調べ始めるのがこの時期です。

STEP2 いじめ?病気?甘やかし?原因究明に明け暮れる~なぜなぜ期~

いよいよこれは不登校らしい・・・という結論に至ると、今度は原因探しが始まります。原因がわかれば解決策がわかるはず、と考えるからです。いじめや学校の先生との関係性など学校で何か問題があったのか、腹痛・頭痛・めまい・吐き気を訴えるのは何か悪い病気なのか、それとも親の接し方に問題があったのか?様々な可能性を考えて原因究明に努めます。
親がこのモードに入っている間は、子どもは「今の状態は異常だ」と言われ続けているのと同じなので、なかなか元気にはなれません。

STEP3 学校に行くと言っては行けないの繰り返し~行け行け期~

一通りの原因探しの結果、病気が見つかった場合も、何も見つからなかった場合も、とりあえず「学校に行けないほどではない」という結論に至ると今度は「学校に少しずつ戻れるようにしよう」という働きかけが始まります。

学校の先生も協力し、「好きな科目の授業だけ」とか「保健室で」「カウンセリング室で」「〇〇クラス(不登校支援用に作られた別室)で」など、できるところからの登校を試みることになります。これが上手くいくかどうかは「クラスのメンバー」「学校の先生との相性」など様々な条件次第、という印象です。

「クラスのメンバー」「学校の先生との相性」などの条件が整わなかった場合のこの時期の子ども達はとても辛そうです。久々の登校となる場合がほとんどのため、クラスの無邪気な友達から「なぜ休んでたの?」と聞かれたり「好きな授業だけ来てずるい!」と言われたり・・・。そんな状況なので、子どもも「行く」と宣言したものの当日の朝になると「やっぱり行けない」ということもあり、期待してしまった分、親も落胆してしまいます。
親子ともに一番辛い時期かもしれません。

STEP4 これが不登校というものか・・・長期戦を覚悟する~やれやれ期~

原因探しや学校の先生と連携した再登校のための様々な働きかけが上手くいかなかった場合、親は途方にくれます。そしてそんな親の姿を見るのが辛い子どもは家の中でも居場所がなくなり自室にひきこもりがちになります。辛そうな子どもの姿を見て、親にもようやく「もういい。無理して学校に行かせるのはやめよう」と覚悟する時期が訪れます。
親は「STEP1」で子どものSOSの”初期段階”をキャッチしたと思っていますが、実は子どもにとっては学校に行けなくなる時点ではSOSの”最終段階”に到達していたのかもしれません。既に限界に達している子どもをSTEP1~3までつき合わせてしまったとすると・・・子どもには気力は残っていません。
この親と子の間に生じているギャップがついに埋まるのがこの「やれやれ期」です。

STEP5 祖父母、夫に妻に、ママパパ友にわかってもらえない~ギスギス期~

子どもが学校に行かないという事実を受け止め、しばらく休ませようと決意すると、今度は「世間」との葛藤が始まります。
心配する祖父母から色々聞かれるのが負担になったり、夫からまたは妻から、「どうにかしろ」と言われたり、ママ友・パパ友からの何でもない言葉が詮索や批判に聞こえてしまったり・・・。
一方で、親が腹をくくると子どもは安心してのんびり過ごせるようになります。「こんなにのんびりさせてしまって良いのだろうか?」という親としての自問自答を繰り返すのもこの時期です。

STEP6 居場所・学習法・自分流を見つけ、皆で見守る~ほのぼの期~

のんびり過ごしているように見える子どもも、学校に行っていなくて本当に平気なわけではありません。「勉強が遅れるのが不安」「話し相手が欲しい」など、理由はそれぞれでしょうが、”学校に行っていれば得られるはずの何か”について、そろそろ考えることができるようになります。
・学校に週1などのペースで定期的に通う
・教育支援センターに通う
・フリースクールやオルタナティブスクール、通信制高校に通う
など、それぞれの方法が見つかるのもこの時期です。また、こうした居場所が見つかると、親としては周囲にも説明がしやすくなり、いわゆる「世間体」を気にする気持ちも薄れます。

STEP7 やりたい事は見つかったけど、まだまだ不安定~冷や冷や期~

「STEP6」で子ども達は様々な刺激を受けます。そこから自分の進路につながるような「やりたい事」を見つけることもあります。「やりたい事」が見つかると、そこにつながりそうなアルバイトを始めたり、受験勉強を始めたり・・・と、活動的になってきます。
家にこもっていた時期と比べると驚くほどの変化ですが、始めたはずのアルバイトを辞めてしまったり、勉強時間が物足りなかったりして周囲から見ると冷や冷やすることもあります。
アルバイトが続かないとか勉強時間が足りないことは珍しいことではないかもしれませんが、不登校経験者の親は「また、あの時のようになってしまうのでは?」というトラウマのようなものがあるので、より一層冷や冷やすることでしょう。

STEP8 元気になって羽ばたく~生き生き期~

このSTEPには特に解説がありません。「羽ばたく(=自立する)」時期、方法に正解は無いからです。(社会人になれば自立かと思いきや、論語では「三十にして立つ」とされているくらいですし・・・)
ならば、なぜ、STEP8を設けたのか・・・?子どもが不登校になると、「再び学校に行けるようになること」をゴールとしてしまいがちですが、「元気になって羽ばたく(=自立する)」ことを目指していきたいと思うからです。

「目的」は元気になって羽ばたくこと、そのための「手段」として学校に行くことがどんな風に役に立つのか?そんな考え方で不登校と向き合ってみて欲しいと思います。

各STEPごとの詳細は今後紹介

今後のコラムでは、各STEPごとに起こりがちな事象やその対応について、記していきます。子どもが持つ育つ力を信じてあげれば必ず元気になるので一緒に頑張りましょう!

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監修者 峰嶋 聡子

コクーンアカデミア代表/株式会社スタディラボ上席執行役員/首都圏大手学習塾にて中学受験算数指導15年/一般財団法人日本アンガーマネジメント協会認定 アンガーマネジメントコンサルタント®/不登校の娘を持つ母/学習塾のノウハウと不登校保護者の視点を組合わせたフリースクールを創業

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