不登校の親はどうやって元気になればいい?疲れた、しんどいと感じる時の5つの方法
この記事の執筆者・監修者
執筆:峰嶋 聡子
コクーンアカデミア代表 / 不登校の娘を持つ母 / 学習塾指導15年
アンガーマネジメントコンサルタント®
- この記事の執筆者・監修者
- 「不登校初期の親の様子」我が家のリアルな体験談
- 我が家の場合~元気になった娘と振り返る~
- 不登校の始まりにオロオロする
- 「なぜ学校に行けないの?」と原因を探す
- 「行ってみよう」と登校を促してしまう
- 不登校の子どもを持つ親が「しんどい」と感じるのは珍しくない
- 「まずはお母さんが元気になろう」と言われても、すぐには元気になれない
- 事実、多くの不登校親子が「まずは親」を実感している
- 親が不登校を「受け入れる」のは簡単ではない
- 不登校の子を持つ親が元気になるための5つの方法
- 1,仕事に打ち込む
- 2,不登校について本を読んだり講演を聞いたりする
- 3,親の会に参加する
- 4,自分の趣味を持つ
- 5,子どもの「推し」を一緒に楽しむ
- まとめ
- 【その他関連記事・人気記事のご紹介】
- 監修者 峰嶋 聡子
「不登校初期の親の様子」我が家のリアルな体験談

我が家の場合~元気になった娘と振り返る~
私には6年間の不登校を経て、今は元気に通信制高校に通っている娘がいます。共に辛い日々を乗り越えた連帯感から、割と仲の良い親子だと思います。
さて、先日、その娘と話していたら、
「友だちのお母さんは、みんな更年期で怒りっぽいんだって。うちはそんな事はないから羨ましがられてる。」
という話題になりました。「羨ましがられている」・・・悪い話ではありません。ニヤニヤしそうになるのを抑えてクールに「そうなの。」などと答えました。
しかし、「羨ましがられている」という言葉に気をよくしていた私は次の言葉で突き落とされます。
「ママの場合は、私が不登校になりたての頃が更年期だったよね。」
「こ、更年期!って。ちがうちがう。あの時は本当にどうしたらいいかわからなかったの!不機嫌とかじゃなくて・・・困ってたの!」
何の動揺かわかりませんが、焦って全力で否定してしまいました。
「更年期」という言葉に過剰反応してしまったということもあると思いますが、恐らく、あの苦しかった日々を「お年頃」で済ませたくない!という気持ちもあったと思います。
不登校の始まりにオロオロする
不登校が始まったころ、娘は腹痛や頭痛を訴えて学校を休んだり遅刻したりするようになりました。客観的に見れば「不登校の兆し」なのだと、今ではわかりますが、当時は不登校がどうやって始まっていくのかなどはよく知らないので、「体調が悪い」「うちの子は他の子よりも軟弱でちょっとした事で休みたがる」などと思っていました。この時点では、まだ「不登校」という言葉と自分の娘の状態が結びついていません。
「なぜ学校に行けないの?」と原因を探す
さて、次にやったことは「原因究明」です。我が子の状態が「不登校」だと思っていないため、なぜ学校を休んでしまうのか原因を見つけて、対処しようと必死になりました。
いじめはないのか?先生との関係性はどうか?胃腸の病気があるのか?自律神経系の病気なのか?頭痛があるのは何か悪い病気の兆候か?めまいがするのは耳鼻科の病気なのか?カウンセリングでわかることはないか?などなど・・・。仕事を休んだり遅刻したりしながら、学校との面談や病院へと出かけていきました。
しかし、これといった原因は見つからず、
「病気でないなら、本格的な不登校になる前に学校に行く習慣を取り戻さなくては!」
と決意をします。もう立派な(?)「不登校」なのですが、この時点でも「不登校になる前に」「今なら間に合う」というマインドで接してしまいました。
「行ってみよう」と登校を促してしまう
学校の先生からもスクールカウンセラーさんからも、「まずは連れてきてください。」「1日が難しければ、半日でも。」とご提案をいただき、私も「スモールステップからならできそうだ」と思い、娘を励まします。
「お腹が痛くても学校に行けばいつの間にか治るよ。先生も気にかけてくれるよ。とりあえず行ってみよう!」・・・と。
娘も「わかった」と応じ、約束通り学校には向かうのですが、学校に近づくにつれ歩みが遅くなり、ついに門の前で動かなくなってしまいます。娘の顔を覗き込むとポタポタと涙がこぼれて、私もいたたまれない気持ちになり家に戻りました。
それなのに辛い娘を見て「辛いのに頑張ったね」と共感する気持ちと、同時に、「行くって言うから仕事を調整したのに!もう。」というやり場の無い苛立ちが同時に沸き起こり・・・優しい言葉と、嫌みっぽい言葉を交互に発していたような気がします。
この情緒不安定な声かけ・・・「更年期?」と思われたのはこのせいですね・・・汗。

不登校の子どもを持つ親が「しんどい」と感じるのは珍しくない
不登校の子を持つ親(特に母親)がうつなどのメンタル不調を訴える割合などについて、データがあるわけではありませんが、私の体感でも、1~2割は経験されているような気がします。一般的なうつ病の発症率は100人中6人ということですので、(出典:こころの情報サイト)、多めの印象です。
実際、webサイトの検索窓に「不登校 親」と入れてみてください。その後に続く言葉として「うつ」「しんどい」「限界」「メンタル」などの言葉が出てきます。検索ボリュームを専用サイトで調べてみても、これらの言葉は上位に出てきます。
子どもの不登校により、親のメンタルが不安定になることは決して珍しいことではないのです。
「まずはお母さんが元気になろう」と言われても、すぐには元気になれない
事実、多くの不登校親子が「まずは親」を実感している
さて、このような不安定な状況を経て、いよいよ「これは不登校だ」と認識すると、不登校の子どもへの接し方を学ぼうと、情報収集が始まります。ネットで調べたり、本を読んだり、セミナーに参加してみたり・・・といった行動が始まります。
そして、どのネット記事にも、どの書籍にも、セミナーでも、共通して述べられている言葉、それが「まずはお母さんが元気になりましょう。」「まずは、お母さま自身を労りましょう」という母親に向けられたメッセージでした。(ご両親が と書かれているものもありますが、圧倒的に「母親」なのですよね・・・こういう時は。)
恐らく、この記事を読んでくださっている皆さんも聞いたことのある言葉ではないでしょうか?
そして、こう思いませんか?
「元気になろうと言われて元気になれれば苦労しないわ!」
少なくとも私はそんな風に思っていました(笑)ただ、その後の実感として、私が元気になった?というか「不登校を受け入れた」状況になってから、子どもが少しずつ前向きになりはじめた事を実感しています。そして、それは多くの不登校経験者親子が語っている事実でもあります。
親が不登校を「受け入れる」のは簡単ではない
「最近の親は不登校を受け入れるようになった」などと言われていますが、本当にそうなのでしょうか?私はそんな生易しいものではないと思っています。
学校以外の場所で勉強すればいい、ITツールを使えばいい、などとも言われますが、実際、すぐに切り替えて学校以外の場に行ったり自発的にアプリを使って勉強ができるような子は稀です。
学習が遅れている我が子が、将来、就職できるのだろうか?
就職したとしても学校みたいに途中で行かなくなってしまう?
友だちも満足に作れないのに、ましてや結婚なんてできるのかしら?
こんな「普通ではない人生」を送っていけるほどの強さがある?
私、この子を一生養っていくの?親がいなくなった後はどうすればいいの?
考えれば考えるほど不安が大きくなり、不登校経験者の体験談など探してみるのですが、見つかるのは芸能人や起業家などの著名人の体験談ばかり・・・。参考にすることも難しく、不安は解消できません。
不登校の子を持つ親が元気になるための5つの方法
さて、親が元気になることが大事だと頭ではわかりつつも簡単でははい、そんな葛藤を経て親が元気になるにはどうしたらいいのでしょうか。
ここからは私自身の経験に加え、多くの不登校親子と接してきた経験を踏まえて事例を紹介します。
1,仕事に打ち込む
「不登校離職」という言葉もあるくらい、不登校の子を持つ親が仕事を続けることは難しい時期があります。その結果、仕事を続けるのか、辞めたり転職したりするのかはそれぞれの家庭の状況や判断次第だと思いますが、「続ける」と決めた場合、この「仕事」は、親を元気にさせてくれるものの1つになります。
仕事に没頭している間は家庭の問題を忘れて冷静になることができますし、何より、子どもが元気になりはじめた時にかかる費用(=フリースクールや通信制高校への進学費用、塾・予備校代)の備えとして、収入を確保しておくに越したことはありません。
私自身は、子どもがちゃんと将来、自分で稼げる大人になれるのだろうか?という心配を打ち消すために、「しっかり働いている私の背中を見せることはきっと意味がある」と信じて、仕事に打ち込むことにしました。子どもに全てのエネルギーを注いでしまうと、大変なプレッシャーをかけかねなかったので、私の場合はこれが良かったと思っています。
2,不登校について本を読んだり講演を聞いたりする
「不登校の子を持つ保護者は親の会に参加すると良い」と聞いたことはありませんか?一方で、親の会には「ボスママがいる」とか、新参者は入っていきにくいのでは?など、ネガティブな印象を持つ人もいると思います。(私自身も初めはそうでした。)双方向のコミュニケーションは、初めのうちは抵抗がありますよね。
そこで、親の会に抵抗のある方は、本を読んだり、不登校の子を持つ保護者向けに開催されている講演会に参加するなどの「一方通行の」「受け身でOK」な状況から始めてみると良いと思います。
本を読んでいるうちに、直接話を聞いてみたい専門家が出てきたり、話を聞いてみようと講演会に参加すると、講演会の規模によっては、終了後に交流会が開催されていたりして、少しずつ他の保護者との接点への抵抗が薄れてきます。
直接交流することがなかったとしても、こういう場に参加すると「悩んでいるのは自分だけではない」という安心感を感じられたり、自分と相性の良いコミュニティを見つけることができるでしょう。
ちなみに・・・私たちコクーンアカデミアでも、こうした気持ちに配慮し、「顔出し不要」「無言OK」のオンライン勉強会を時々開催していますので、良かったら、チェックしてみてください!
3,親の会に参加する
「親の会に参加する」・・・数々の専門家が勧めるだけあって、不登校の子を持つ保護者にとって、「親の会」には絶対的な安心感があります。お子さんが元気に学校に行っているママ友・パパ友には話せないような話も安心して語ることができます。
同じ不登校でも、様々なパターンがあるので、とんでもない「猛者」の話が出てくることもあります。そんな話を泣いたり笑ったりして聞いたり、自分の話もしてみたりすると、心が軽くなるものです。
できれば夫婦で参加できると、なお良いと思います。男性の参加者は少ないので、男性は参加しただけでも賞賛され、子どもの不登校についてもっと理解を深めたいというモチベーションが高まるようです。
リアルな親の会のハードルが高ければ不登校の保護者向けのソーシャルネットワークサービスに参加してみるのも良いと思います。LINEのオープンチャットで「不登校」で検索したり、webサイトで「不登校×掲示板」で探すなどの方法で、オンライン上のコミュニティを見つけてみるのも良いでしょう。
4,自分の趣味を持つ
子どもが不登校で大変なのに、趣味どころではない・・・と思われるかも知れませんが、親の関心の全てが子どもに向いていると、お子さんもプレッシャーを感じ、なかなか元気になれません。
ご自身のためにも、お子さんへの心理的な負担を減らすためにも、保護者自身が癒されたり、楽しめたり、夢中になれるような趣味を見つけるのはとても良いことです。
私は学習塾やフリースクールで多くの子ども達と接してきましたが、親が好きなものは、お子さん達は意外によく把握していて、その話を楽しそうに話してくれます。
こんな風に親の姿をよく見ている子どもに対して、どんな姿を見せたら良いのでしょうか?
子どもの不登校を「自分のせいだ」と思ってストイックに趣味も持たずに日々を過ごしている姿を見せるよりは、リラックスして楽しそうに過ごしている姿を見せてあげた方が親子ともに健康的だと思います。趣味を楽しむ事は悪いことではありません。
5,子どもの「推し」を一緒に楽しむ
保護者自身が趣味を・・・と言われても、特に好きなものや夢中になれるものが見つからない場合もあることでしょう。そんな時は、ぜひ、お子さんが好きなものを一緒に楽しんでみてください。
お子さんの好きなものを一緒に楽しんであげることは、「お母さんは(お父さんは)あなたの味方だから」「信じているから」「応援しているから」と言葉を尽くしてお子さんに語りかけるよりもずっと効果的に「寄り添う」気持ちを伝えることにつながります。
自分の「好き」が否定されなかった。それだけでもお子さんは安心します。ましてや、自分の「好き」を親も一緒に楽しんでくれたら、どれほど勇気づけられることでしょう。今まで心にしまっていた様々な思いも吐き出せるようになるかも知れません。
親子ともにメリットの大きい親子での「推し活」、これは非常にオススメの方法です。

まとめ
不登校の子どもを支えていると、親自身が疲れ切ってしまうことがあります。
「どうして学校に行けないんだろう」
「このままで将来は大丈夫なのだろう」
「私の育て方が悪かったのではないか」
そんなことを毎日のように考えていると、心配や不安で頭がいっぱいになり、自分のことを後回しにしてしまうのも無理はありません。
だからこそ、「まずはお母さんが元気になりましょう」と言われるのだと思います。
ただ、頭ではわかっていても、そんなに簡単に元気になれるものではありません。私自身もそうでした。
私が少しずつ変わっていったきっかけは、「何とかして娘を学校に戻さなければ」と考えることだけに必死になるのではなく、自分自身の生活や気持ちにも目を向けるようになったことでした。
仕事を続ける。
不登校について学ぶ。
同じ悩みを持つ人と話す。
自分の趣味を楽しむ。
子どもの「好き」を一緒に楽しむ。
どれも、「不登校の子どもを放っておく」ということではありません。
むしろ、親が自分の人生を大切にしながら、子どもと適度な距離を保つことが、親子双方にとって良い方向に働くことがあります。
不登校の子どもを元気にするために、親が無理をして頑張り続ける必要はありません。
まずは、親自身が少し笑える時間をつくること。
誰かに話を聞いてもらうこと。
好きなことを楽しむこと。
「元気にならなければ」と頑張るのではなく、親自身が少しずつ元気を取り戻していくことから始めてみてはいかがでしょうか。
それが結果的に、お子さんにとっても「自分の人生を自分らしく歩いていっていいんだ」と感じられる、ひとつのきっかけになるのかもしれません。
【その他関連記事・人気記事のご紹介】
・不登校中、学校からの「安否確認」がつらい
・不登校は親のせい?~甘やかし?過干渉?放任?~
・新学期・進級時期を「不登校→再登校」のきっかけに~クラス替え?勉強遅れ対策?~
・コクーンアカデミア考案「保護者の8ステップ」
監修者 峰嶋 聡子
コクーンアカデミア代表/株式会社スタディラボ上席執行役員/首都圏大手学習塾にて中学受験算数指導15年/一般財団法人日本アンガーマネジメント協会認定 アンガーマネジメントコンサルタント®/不登校の娘を持つ母/学習塾のノウハウと不登校保護者の視点を組合わせたフリースクールを創業

記事一覧に戻る
見学・体験、随時受付中!
お気軽にご相談ください