2026年1月27日
新学期・進級時期を「不登校→再登校」のきっかけに~クラス替え?勉強遅れ対策?~

新学期・進級時期は「不登校→再登校」のチャンス
冬休みが終わると、次の春休みまでの期間は実質2か月程度となり、学年の終わりが見えてきます。
我が家の次女は小2の後半で不登校→小3の前半で再登校→小3後半で不登校→小4で再登校→小5で不登校・・・と、不登校と再登校を繰り返しています。2回、「再登校」を経験しているわけですが、いずれもきっかけは「学年の変わり目」でした。
実際に不登校の体験談などを見ても、「学年の変わり目」「中学入学」「高校入学」などをきっかけに再登校をするようになった事例は多く見受けられ、環境の変化が再登校のきっかけになることはあるようです。
お子さんの状況が安定していて、再登校は特に考えていない場合は意識しなくて良いと思いますが、もしも、再登校のきっかけを探しているようならば、環境が大きく変化するこの時期はチャンスと言えます。
- 新学期・進級時期は「不登校→再登校」のチャンス
- 「不登校→再登校」のために、やっておいて良かったこと
- 【再登校に向けて】①クラス分けに関する配慮をお願いする
- 【再登校に向けて】②学習の遅れが無いようにしておく~学習の遅れを取り戻す方法も紹介~
- 【再登校に向けて】③子どもへの声かけ
- 【再登校に向けて】④ママ友・パパ友への根回し
- 年度替わりの再登校がうまくいかなかった時に備えて意識すると良いことは?
- 【再登校失敗への備え】親の覚悟と準備
- 【再登校失敗への備え】子どもに余計な負担を負わせない
- 【再登校失敗への備え】代わりの居場所を探しておく
- まとめ 学年の変わり目を再登校のチャンスとするために
- 【その他関連記事・人気記事のご紹介】
- 監修者 峰嶋 聡子
「不登校→再登校」のために、やっておいて良かったこと
再登校のきっかけを探している親子にとっては”学年の変わり目”という1年に一度訪れる再登校のための絶好のチャンス。
経験を通して、この学年の変わり目というチャンスを最大限に生かし、再登校のきっかけにするためにやっておくと良いことが見えてきましたので紹介します。
【再登校に向けて】①クラス分けに関する配慮をお願いする
これは子どもが不登校になってみて初めて知ったことですが、クラス分けの際に、不登校の子が再登校しやすい環境を整えるための要望は、「お願いしてみて損はない」ことの1つでした。
もともといじめについては、いじめを継続させないための対応として、クラス替えをすることが推奨されています。
いじめられる児童生徒又はいじめる児童生徒のグループ替えや座席替え、さらに学級替えを行うことも必要であること。また、必要に応じて児童生徒の立場に立った弾力的な学級編制替えも工夫されてよいこと。
ただ、いじめではなく不登校を理由に、クラスに関する配慮をお願いするのは図々しいのではないか?初めのうちはそんな風に思っていました。
ところが、先生方からは逆に、「再登校を促すための環境づくりのために情報が欲しい」と言っていただき、仲の良い子の名前を何人か挙げたところ、そのうちの多数を同じクラスにしてもらうことができました。
また、クラスメートだけでなく、担任の先生についても子どもによく声をかけてくれる、慕っている先生になりました。
実際、経験者の話を聞くと、こうした配慮をしてもらった例はかなりあります。”今年度はクラス替えのタイミングではない”などの学校の事情で難しい場合もあるようですが、黙って我慢するよりも言うだけ言ってみると良いと思います。
【再登校に向けて】②学習の遅れが無いようにしておく~学習の遅れを取り戻す方法も紹介~
せっかく再登校をしても、学校の勉強がわからないと、学校に行くことのハードルがまた高くなってしまいます。再登校から、あっと言う間に不登校に戻ってしまう・・・そんなリスクは、準備次第で避けることができます。
特に、算数・数学・英語は前の学年の内容が理解できていないところに新しい知識を上乗せしても、理解できなくなってしまう科目なので、遅れが無いようにしておいた方がいいでしょう。
それから、学年ごとに配当されている漢字も練習しておきましょう。習っていることを前提に、読み仮名が無い状態で教科書に出てきていしまいますので、読めなかったり、意味がわからなかったりすると学習に支障が出ます。

学習遅れを取り戻す方法としては、以下の方法があります。
・市販の「〇年生のまとめ」ワークなどを購入し、自学自習をする
・家庭教師をお願いする(プロの場合は、教材選定までお任せして良いと思いますが、学生講師などの場合は、ある程度教材を指定してあげた方が良いでしょう。)
・個別指導の学習塾に要望を伝えて、オーダーメイドのカリキュラムを作ってもらう
・学習指導に強いフリースクールでサポートしてもらいながら勉強をする
手前味噌ではありますが、私は「学習指導に強いフリースクールでの学習」をオススメします。(私が代表を務めるコクーンアカデミアもこのタイプのフリースクールです。)
学校を休みがちな生徒はどうしても学習塾も休みがちになってしまいます。行かなくてはいけない日が決まっていると強いプレッシャーを感じて、体調不良を起こしやすくなってしまうのです。
不登校の子どもの特性をよく理解しているフリースクールならば、不安定な状況を全て想定して対応しています。
【再登校に向けて】③子どもへの声かけ
「明日からは学校に行きなさい!」
「約束したでしょ?」
「何で行けないの?」
こういう声かけで親子ともに傷つき、後悔した経験を持つ親は多いことでしょう。そのため、「学年の変わり目を再登校のチャンスとする」ためにどうやって働きかけたらいいのかわからなくなってしまっているのではないでしょうか。
子どもとの関係性、性格、学年などによって正解は違ってくると思いますが、参考に再登校につながった声かけの例を紹介します。
「来年はどうする?」
→不登校が長期化していた長女に対して、心から「どっちでも構わないよ」と思いながら聞いたら、思いのほか「来年は行くよ」という言葉が返ってきました。
長女は周囲の期待に応えようとしてしまうところがあるので、こちらの意図を持たずにできるだけ自然体で意向を聞くようにしました。
「新しいクラスがどんな感じか見てみようか。何日か様子見て、ダメならダメでまた自分で勉強すればいいし。」
→学年の切り替わりをポジティブに表現し、やや「行く」と言わせる方に誘導する聞き方をしました。小3から小4、小4から小5と2年連続、この手法をとり、冬まで通えた年と、1週間でダメになってしまった年がありますが、いずれもスタートラインには立つことができました。
これは次女への声かけでしたが、背中を押した方が進めるタイプだと思ったため、このような声かけにしました。
他にも
「学年の切り替わりって、学校に行きやすいみたいよ。」と一般論として話す。
「〇年生は楽しい校外学習があるよ。」と、楽しい行事で動機付けをする。
などが考えられます。
「行かないと大変なことになる」「行かないと許さない」といった脅しは逆効果になりやすいため、それ以外の声かけの仕方を子どもの性格に合わせて考えてみてください。
【再登校に向けて】④ママ友・パパ友への根回し
子どもが不登校になると、ママ友・パパ友に会うのも辛くなる方も多いと思います。そのような場合は、無理して接する必要はないと思いますが、もしも、信頼できるママ友・パパ友がいるようならば、味方につけましょう。

面倒見の良いご家庭のお子さんは、ご家庭の影響なのでしょうか、お子さんの方も世話好きだったりすることがあります。
そんな世話好きなご家庭には「学校にたまにしか行けていないけど、〇〇ちゃんに話しかけてもらってすごく喜んでいる」など、積極的に感謝を伝えておくと、更に意識してくれるように思います。
久々の再登校が順調にスタートできるかどうかは、「学校の先生」「友達」の影響が甚大です。「友達」の協力を得やすくするよう、ママ友・パパ友への根回しもできると良いでしょう。
年度替わりの再登校がうまくいかなかった時に備えて意識すると良いことは?
以前、別の記事で不登校が4年、5年、6年と長期化している例は珍しくないことをお伝えしました。年度替わりは再登校のチャンスではあるものの、うまくいかない場合も多いことを示しています。そのため、年度替わりを再登校のチャンスとして生かしつつ、うまくいかなかった時のための備えも同時にしておきましょう。
【再登校失敗への備え】親の覚悟と準備
「年度替わりは再登校のチャンスだから、準備をしよう」と言っていながら矛盾しているのですが、準備をすればするほど、うまくいかなかった時の落胆は大きくなってしまいます。そこで、親が準備しておかなくてはいけないのは「落胆しないための準備」です。うまくいかないことを覚悟しておく、ということです。

例えば、学校の先生に、再登校のためにクラスについてあれこれお願いしたのに、行けなかったとしたら・・・?申し訳ない気持ちになりますよね。この申し訳ない気持ちのやり場に困ってお子さんにあたってしまったりしたら最悪です。
私の場合ですが、学校の先生にも「配慮していただいても、行けないかもしれません。その場合はすみません。」と伏線を張っていました。
これは、学校の先生のためというよりも、むしろ、「親が不機嫌にならないため」の準備でした。
他に「自分が怒ってしまいそうなこと」「がっかりしてしまいそうなこと」は無いでしょうか?
・「止めていた給食を再開したのにまた止めるのか?と怒ってしまいそう」→給食を止めるための用紙を念のため用意しておく。
・「新学年用に新調した体操服が無駄になったと怒ってしまいそう」→新調するのは、新学年になってからすぐではなく、”運動会前”と決めておく。
こんな具合に、「うまくいかないかも知れないという覚悟」と、「具体的な準備」をしておくと良いと思います。
人間、想定できていることに対しては強い怒りや混乱が起こりません。
ここで親が感情的になってしまうと、お子さんの心の回復が遅れてしまうので、そうならないための準備です。
【再登校失敗への備え】子どもに余計な負担を負わせない
再登校がうまくいかないと、心の準備をしていた親でさえも落胆するのですから、当事者である子どもも傷つきます。
傍目には能天気に見える子が、実は「自分はダメな子」と思っていたり、「親を悲しませた」と思っていたという話を聞く事はよくあることです。
例えば、「友達と同じクラスになれるよう頼んでおいたよ」と伝えておくことが良いのか悪いのか?を例にしてみます。
自分のためにクラス分けに特別な配慮がされていることを先に知ってしまうと、通えなかった時に
「配慮してくれた先生に申し訳ない」
「クラス替えの影響を受けた友達に申し訳ない」
「先生に頼んでくれた親に申し訳ない」
と申し訳なさを感じる相手がたくさん出てきてしまいます。「同じクラスになれるかもしれない」という期待とダメだった時の落胆を天秤にかけて、伝えるかどうかを考えた結果、我が家の場合は当日のサプライズということにしました。
こうしたことを負担と感じるお子さんかどうか?は親の方が理解していると思いますので、その判断で良いと思います。ただ、いずれにせよ、うまくいかない場合もあるのだということを想定して、伝えてしまうとお子さんの負担になることがあれば、そこは伝えないよう配慮しておくと良いでしょう。
配慮をする度に何度でも沸き起こる「”配慮”ではなく”過保護”かもしれない。」という葛藤は、不登校保護者の永遠のテーマですが、そこは「今は過分な保護(=過保護)が必要な時期」と割り切りましょう。
【再登校失敗への備え】代わりの居場所を探しておく
また、再登校をしても、数週間で再び不登校に戻ってしまった場合でも、代わりに勉強ができる場所や、日中を過ごせる場所があると安心です。
・各自治体が用意している適応指導教室
・学校の別室登校
・民間のフリースクール
・家庭教師
・学習塾
などが候補になると思います。もともと馴染んだスタイルがあればそこに戻れば良いですが、まだ見つかっていないようでしたら、改めて探してみると良いと思います。
まとめ 学年の変わり目を再登校のチャンスとするために
学年の変わり目は再登校のチャンスとなりやすいです。チャンスとして生かすためには、子ども自身をその気にさせ、環境を整えることが必要です。そのために
・クラスについての配慮を先生にお願いする
・学習の遅れが無いようにしておく
・子どもが安心して再登校にチャレンジできるような声かけをする
・友達のママ・パパにも根回しをしておく
といったことができるでしょう。
また、そこまで準備をしても上手くいかない場合もあります。
そこで
・親が落胆して子どもを追い詰めないよう、親としての心の準備をし
・子どもが負担に思わないよう、余計な情報を伝えず
・学校以外の学習場所・居場所を確保しておく
ことが準備として必要になります。
年度替わりの好機を上手く活かせるといいですね!
このコラムでは、保護者の視点と、フリースクール・通信制高校を運営する立場での視点を組合わせて、保護者の皆さんが知りたい情報を提供するようにしています。良かったら他の記事も見てみてください。
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監修者 峰嶋 聡子
コクーンアカデミア代表/株式会社スタディラボ上席執行役員/首都圏大手学習塾にて中学受験算数指導15年/一般財団法人日本アンガーマネジメント協会認定 アンガーマネジメントコンサルタント®/不登校の娘を持つ母/学習塾のノウハウと不登校保護者の視点を組合わせたフリースクールを創業

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