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【体験談】HSC不登校の特徴と対応は?子どもの自己肯定感を高める親の接し方

2026/7/17

【体験談】HSC不登校の特徴と対応は?子どもの自己肯定感を高める親の接し方

この記事の監修者

峰嶋 聡子(コクーンアカデミア代表 / 不登校の娘を持つ母 / 学習塾指導15年)

不登校の原因にもなる「HSC(人一倍敏感な子ども)」とは?

【わが家の体験談】娘が小学4年生で不登校になったきっかけ

私の娘(高1)は、小学4年生の頃から学校に行けなくなりました。
授業が始まる時間になっても勉強の準備ができていない友達がいたためにその友達が叱責され、先生から「皆でどうすればいいか話し合うまでは授業をしない」と言い渡されるという出来事がありました。
話し合った結果を伝えてもまだ納得してもらえず、その日は授業が再開されませんでした。それまでも先生の指導に納得できないことがあったところに、この出来事が重なったことが1つのきっかけとなり、学校から足が遠のいてしまいました。

娘は怒られるような行動をするタイプではないので、納得できていなかった指導内容は全て他の子どもに向けて行われたものだったのですが、負担を感じてしまったようです。(こういう時、当の怒られたお子さんは大抵ケロっとしています・・・笑)

このエピソードを聞いたカウンセラーさんから「お子さんはHSCの傾向がありますね」と指摘を受け、私は初めて「HSP(=Highly Sensitive Person)」の子ども版と言える「HSC(=Highly Sensitive Child)」という言葉があるということを知りました。

HSCの定義とアーロン博士が提唱する「4つの特徴(DOES)」

お子さんの性格が「気にしい」「感受性の強い子」「心配性」「ビビり」「臆病」「神経質」といった言葉で表現されるタイプならば、「HSC」の特徴が当てはまる可能性があります。

HSC(=Highly Sensitive Child)は病気ではなく性質を表す言葉で、アメリカの心理学者 エレイン・N・アーロン博士が4つの特徴を挙げて定義しています。

深く考える(Depth of processing)

わずかな情報からも多くを読み取り、物事をじっくり考えるため、「友だちはなぜあんな事を言ったのだろう」と過去の事をいつまでも考えたり、先の展開を予測して恐れを抱いたりすることがあります。そのため、心に疲れをためやすい傾向があります。

刺激に敏感(Easily Overstimulated)

音・光・におい・感触などの刺激や人混みなどの環境の影響を強く受けます。学校の休み時間のにぎやかさや、運動会などの行事から受ける様々な刺激を人一倍強く感じるため、学校生活では心の疲れだけでなく、身体の疲れも感じやすいです。

感情に強く反応する(Emotionally reactive)

他人の喜びや怒り、悲しみといった感情を自分のことのように感じ取る力があります。学校生活では、友だちが怒られていたりいじめられたりしていると、自分の事のように感じて辛くなってしまうことがあります。

些細な刺激に気が付く(Sensitive to subtle stimuli)

わずかな声のトーンの変化、表情の変化などにもよく気が付きます。そのため、例えば学校では「怒りを抑えて黙っている先生」「友だちが自分の事を下に見ている雰囲気」など、表面には表れにくい微妙な感情などにも気が付いてしまい、傷ついたり気を遣ってしまうことがあります。

【参考】アーロン博士によるHSCセルフチェック

上記4つの特徴だけでも十分、お子さんがHSCの特徴を持っていそうかどうか読み取ることができると思いますが、アーロン博士によるチェックリストは書籍で紹介されています。

今回は出版社より許可をいただきチェックリストの中から6つの項目を紹介します。HSCについて本を読んでみるなど、もう少し詳しく調べてみるかどうかを判断する前の簡易的なチェックに使ってみてください。

 □年齢の割には難しい言葉を使う
 □うるさい場所を嫌がる
 □すぐびっくりする
 □厳しい罰を与えるよりも、優しく間違いを正す方が言うことをわかってくれる
 □服が濡れたり砂で汚れた時は着替えたがる
 □他人の苦しみによく気がつく

参考図書:『敏感すぎる私の活かし方』(エレイン・N・アーロン著)

なぜHSCの子どもにとって学校は「自分との闘いの場」なのか?

感情・感覚増幅器をつけて登校しているような学校生活のリアル

HSCの子どもは感情・感覚増幅器(注:私の空想による機器です。)をつけて学校に行っているようなものです。

賑やかな教室に入り、おはよう、と友達に言ったら聞こえなかったらしく返事がなかった。その後、「皆さん、静かにしてください」と少し強めの口調で先生が叱った。日直の「起立・礼」で朝の会、続けて授業が始まる。授業では先生から当てられ、皆の見守る中答えを発表することに・・・。

たとえば、こんな一連の日常風景はHSCの子どもにとってはどのような世界観なのでしょうか?

教室の喧騒はハロウィンの渋谷くらいの賑わいかも知れません。友達に挨拶を返してもらえなかったのは、「絶交」を言い渡された気持ちかもしれません。先生の叱責・日直の挨拶は軍隊の上官による叱責・小隊長の号令くらいの強制力に。クラスでの発表は絶対に失敗が許されない大ホールの式典での挨拶くらいの緊張感かも知れません。しかも、事前に知らされず突然のご指名・・・。

このような試練と緊張の連続の中に毎日毎日、勇気を振り絞って登校ならぬ出陣(!?)をしていたとしたら?その疲労感は相当なものでしょうし、再びその場に行くことには相当な重荷になることでしょう。
HSCの子ども達は、毎日、自分との闘いの場に行くような気持ちで学校に行っているのかも知れませんね。

不登校になったHSCが抱く「家族への申し訳なさ」と罪悪感

さて、このような敏感な子どもが学校に行きづらくなってしまうと何が起こるでしょうか?周囲の気持ちを敏感に察する子どもですから、今度は、家族の気持ちを慮るようになります。

「今日はどうするの?学校は休む?」母親のこの言葉に強い批判が込められていると感じたり、「お姉ちゃんばかり休んでずるい!」というきょうだいの言葉に傷ついたり、リビングで自分以外の家族が談笑している声が聞こえると自分だけ取り残されたような気持ちになったりします。

口には出さないものの、敏感な子どもですから、「自分は何て情けない人間なのか」と、将来を悲観したり、「家族に対して申し訳ない」と思い、自己肯定感が著しく低下してしまいます。

HSC不登校の子どもが自己肯定感を取り戻す4つのアプローチ

HSCの子どもが著しく低下した自己肯定感を取り戻し、再び自分の人生を前向きにとらえられるようにするにはどうすればいいのでしょうか?

ここからは、HSC不登校への働きかけとして有効と考えられることについて、実際の体験を交えてその効果を紹介していきたいと思います。

1. 家族が安心できる存在になる(アンガーマネジメントの活用)

HSCの子どもは学校に行けない自分を許してはいません。親としては「それなら行けばいいのに」と思ってしまうかも知れませんが、そんな親の気持ちをも敏感に察するのがHSCの子どもです。

そのため、HSCの子どもが安心して心を開ける存在になるには、家族も努力が必要です。不登校の子どもの心について勉強したり、親としての感情のコントロールの仕方を学ぶなど、正しい情報を得ることが必要です。

私の場合は、感情コントロールの方法としては「アンガーマネジメント」が一番有効でした。他人の怒りの感情に敏感に反応してしまう娘に対しては、無駄な事では怒らず、注意するべきことがある場合は、受け止めやすい方法で伝える必要がありました。

「アンガーマネジメント」の考え方はとても良かったので、その後、資格を取得し、現在は私が運営するスクールでも私自身が講師となり、講座を開催しています。(開催企画のご案内

「家庭が居心地が良すぎると、家から出なくなるのでは?」という不安があるかも知れませんが、安心して戻れる場所が無い子どもは、チャレンジもできなくなり、自分の殻に閉じこもってしまいます。安心できる居場所を作り、その上で「いつもより早く起きる」「家から外に出る」など小さなチャレンジから始めていく・・・という、一見遠回りに見える方法が結局は自信をつけていくための近道になります。

2. 子どもの「好き」を見つけて応援し、生きる活力を引き出す

私が好きな「Dr.STONE」という漫画のあるキャラクターの口癖で「欲しいは正義!」という言葉があります。初めて聞いた時は「強欲なキャラクターだなあ」くらいにしか思っていませんでしたが、最近、この言葉がじわじわと好きになってきています。
「欲」という漢字は「物欲しげ」「欲にまみれる」「欲張り」など悪い意味で使われる場面が多いです。

しかし、学校に行かなくなり、自信を失った子どもはこの「欲」から遠ざかってしまいます。外に出かけないので新しい服も欲しがらず、行きたい場所もなく、友だちも作りたがらず、まるで生きることの楽しみや希望も感じていないかのように見えてしまいます。

我が家の場合も、抜け殻のようにYouTubeや漫画アプリを見続けていた時期がありました。デジタル漬けになることの賛否はありますが、私は「好きなだけ見せる」方向に舵を切りました。

結果として、娘には好きな配信者や好きな漫画のキャラクターができ、それが活力を生み出すきっかけになりました。具体的に起きた変化はたくさんあります。

・好きなキャラクターについて色々調べる
・キャラクターの魅力を家族に語る
・漫画のストーリーの背景を理解するために歴史を学ぶ
・キャラクターとのコラボカフェに行きたいと言う
・コラボカフェに着ていく服が欲しいと言う
・一緒に推し活ができる友達が欲しいと言う
・グッズを買うお小遣いを稼ぐためにお手伝いをするようになる
・高校生になったらアルバイトをしたい、と言う
・アルバイトと学校を両立できる体力をつけようとする

こんな風に「好き」という気持ちが生み出した「欲しい」の数々が臆病で前に進めなかった娘の背中を押してくれました。まさに「欲しいは正義!」そして、その原点には「好き」という気持ちがありました。

周囲を気にしすぎて生きる活力としての「欲」を抑制してしまっているHSC不登校生から良い意味で「欲」を引き出してあげるためにも、「好き」を見つけて応援してあげることが大切です。

3. フリースクールや学習塾などの「居場所」で罪悪感を減らす

私の娘は学校に行けなかった時期に、オンラインのフリースクールに在籍し、その後、生身の人間と接する機会を作るため、通信制高校の中等部に在籍しました。実際には通信制高校の中等部にもあまりたくさん行くことはできなかったのですが、こうした「在籍している場所」を用意したことは意外な効果をもたらしました。それが「罪悪感を減らすこと」です。

HSC不登校の子どもは自分を客観視する力が優れているので、世間から自分がどのように見られているかを意識しながら不登校生活を送っています。

また、先の展開を予測しながら会話をする傾向があるため、例えば親戚から「学校はどう?」などと聞かれた時には「学校に行っていないと言うと、心配してあれこれ尋ねられるのが面倒だ・・・。学校に行っていることにしようかな。でも嘘をつくと、後で自分自身が自己嫌悪で落ち込むことになるから、やっぱり正直に言おうかな。このおばさんは、大らかなタイプだから、言っても大丈夫かな。いやいや、人は見かけによらないから・・・」といった具合にぐるぐると思考が巡ってしまい、落ち込んだり疲れたりしてしまいます。

そんな時に「在籍している場所」があるのはとても便利でした。学校には行っていないけど「××」には行っている、と嘘をつかずに周囲を安心させられる口実ができたことの安心感は想定以上でした。

もちろん、「勉強の遅れを取り戻す」「人と接する場を用意する」「学校の出席扱いにする」という本来の目的も果たすことができますが、HSC不登校の子どもにとっては、こうした効果も意識してみると良いと思います。

実際、コクーンアカデミアの「ライトコース」は、「たくさん通う自信は無いけれど、所属している場所が欲しい」というちょっと臆病なHSC不登校のお子さんが選びやすいコースとして開設したので、良かったら見てみてください。

4. 自分の状態に気づき、メンタルを回復させる方法を身につける

さて、ここまでで紹介した内容は、全て家族の支援が必要なことがらでした。これらが整ってくると、HSC不登校生も、自分の特性を理解し、自分で対策を講じながら生活ができるようになってきます。

「たくさん愚痴を言う」「たくさん寝る」「甘いものを食べる」「人と会うのを少しお休みする」など、自分のメンタルが回復する方法を知り、実践できるようになれば少し安心です。

とは言え、頑張りすぎていることに自分で気が付かず、疲れをため込んでしまうこともあるので、「十分頑張っているよ」「大丈夫だよ」と肩の荷を下ろすような声かけは継続的にしてあげてください。

まとめ|HSCの繊細さは強みでもある!良いところに目を向けて勇気づけよう

繊細すぎて親としては心配になるHSC不登校ですが、良いこともたくさんあります。
他人の気持ちがよくわかるので、失礼なことをしたり、嫌われるようなことをすることはあまりありません。人を見る目があるため、良い友達と付き合うことができます。リスクに敏感なため、危ない事をしません。
やるべき事をやらずに平然とする・・・などということもできないため、大抵のことはちゃんとやります。

成長とともに、視野も広がり、HSCの特徴とも上手に付き合っていくことができるようになってきますので、良いところに目を向けて勇気づけていきましょう!


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監修者 峰嶋 聡子

コクーンアカデミア代表/株式会社スタディラボ上席執行役員/首都圏大手学習塾にて中学受験算数指導15年/一般財団法人日本アンガーマネジメント協会認定 アンガーマネジメントコンサルタント®/不登校の娘を持つ母/学習塾のノウハウと不登校保護者の視点を組合わせたフリースクールを創業

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