2025年10月8日
【オロオロ期】 意外に知らない、不登校の「始まり方」~不登校の兆候とは~

不登校はどのように始まるのか?リアルな事例を紹介します
2025年10月末に発表された小中学生の不登校人数は35.3万人で過去最高人数でした。小学生の44人に一人、中学生の15人に一人の割合※にまで高まってきていますので、身近な話題として意識している方も増えていると思います。
今日は意外に知られていない「始まり方」について、リアルな事例をもとに紹介します。
※参照:【解説】 2025年発表 不登校児童生徒数最新数値から見えたもの① ~不登校増加はひと段落なの?~
「行き渋り」とはどういうもの?「行き渋り」と「不登校」は違うの?
不登校は行き渋りから始まる・・・こんな風に聞くことはありますが、その行き渋りというものがどんなものなのかは実はよくわかりません。「行き渋り」と「不登校」の違いもよくわかりません。なので、本当はソレが始まっているのに「うちの場合は違う」と思ってしまいます。
初めは本当に病気になって欠席したつもりだったのに・・・
Nちゃん(小3)は連休明けのある日、学校で腹痛を訴え、早退をしました。実際にお腹をくだしていて症状も出ていたため、少しお休みをし、復活しました。小学生がお腹をこわしたり熱を出して学校をお休みする。ここまでは何でもない日常の話です。
そして週末を迎え、日曜日の夜の事です。再び、Nちゃんは腹痛を訴えました。あまりに痛がるので、夜間診療所に連れて行き、診てもらいましたが特に問題は見つかりませんでした。
「何ともないのだから、学校に行きなさい」と言い聞かせて学校に登校したその日・・・Nちゃんはまた学校でお腹が痛くなってしまい、早退をしました。
Nちゃんのママはこの時点では「何でしょうね。行き渋りかな?」と首をかしげていました。内心、とても不安だったこととと思います。

筆者はこの段階でNちゃんのママから話を聞き、「あー、(不登校が)始まっているかもしれないな。」と感じていました。しかし、この時点では私からは「Nちゃんは不登校が始まっているかもしれない」とは伝えませんでした。
Nちゃんママは私が不登校の子を持つ経験者だということを知っているので、経験者からの言葉のインパクトの強さを思うと、この段階での私の言葉は必ずしも良い影響を与えるとは思えなかったからです・・・。どんな事でも他人から指摘されて気づくよりも自分でたどり着いた結論の方がしっかりと受け止めることができるものです。
その後、Nちゃんは欠席と日曜日の夕方からの腹痛・・・これを2週間繰り返しました。
Nちゃんのママによると、日ごろ、私から不登校についての話を聞いていたためこの時点で「これは不登校の始まりだ」と気が付いたということでした。
2週間で気が付いたのはとても早かったと思います。
私の場合は、数か月の間は「本当に病気かもしれない」と思い、原因究明に翻弄されてしまっていたので・・・。
不登校の始まりによくある身体症状とは?実際の経験から
Nちゃんママが驚いていたのは、「仮病などではなく、本当に身体症状が出た」というところでした。確かに不登校経験者と話していると初期は様々な身体症状が出ています。よくある症状は以下の通りです。以下、全て我が子も経験し、それぞれ病院にかかりましたので、参考にその時の経験を記しておきます。
実際にはお子さまの症状に合わせて診察してもらい必要ならば薬を処方してもらって欲しいと思いますが、「病院にかかる前にちょっと他の人の様子を知りたい」ということもありますよね?そんな時の参考になると思います。
よくある症状①腹痛
我が子の場合、繰り返し腹痛を訴えるので「過敏性腸症候群」なのではないか?と思い、病院に行きました。会社の同僚に「過敏性腸症候群」の人がいて、薬を飲むと落ち着くと聞いていたので、同じように診断されて薬がもらえたら・・・と思いながら2つの病院(内科・小児科)で診察を受けてみました。しかし、どちらの病院でも「ストレスかな」「様子を見ましょう」と言われ、ビオフェルミンを処方されました。
よくある症状②微熱
子どもの微熱は珍しくなく、我が家の場合はこれだけを理由に病院に行くことはしませんでした。しかし、「熱がある」は学校を休む理由として主張しやすいためか、娘は頻繁に体温を測っていました。お子さんが体温をやたらと測っている場合、そこには何かのメッセージが隠されているかも知れません。
よくある症状③頭痛
原因不明の頭痛はとても心配になります。病院では「病気ではない事を確認するために」という目的で勧められた検査を全て行いました。起立性調節障害の検査のほか、脳外科でMRIの検査まで行いました。
結局、病気ではないということで、頭痛が出た時に対処的に薬を飲むことになりました。娘の場合は5年以上経過して、頭痛との付き合い方も慣れてきたようで、「天気が悪い時の頭痛」「片頭痛」など、その時の症状により「この時はこの頭痛薬が効く」などと対策を使い分けることができるようになりました。

よくある症状④めまい
「めまい」は不登校の原因になりやすい「起立性調節障害」の症状の1つともされているため、めまいに悩まされる不登校生の話はよく聞きます。我が子も頻繁にめまいを訴えたため、耳鼻科で診てもらいました。血流改善のための薬を処方され、後は様子を見ましょうということになりました。目の前が真っ暗になる貧血によるめまいが多いようなので、今は食生活に気を付けたり、鉄分補充用のドリンクを飲むなどして対策をしています。
よくある症状⑤吐き気
「吐き気」も不登校児童生徒が訴える症状として非常に多い症状です。吐き気止めの薬を処方してもらった事もありますが、実感としては薬で治すものではなく、不安のない環境を作ることでしか解決しなかったという印象です。
不登校の体調不良は「ストレス」「自律神経の乱れ」が原因なの?
さて、前項で紹介した通り、私の場合は娘の不登校を「本当に病気かもしれない」と心配し、あちこちの病院に連れて行きました。そして、どの病院でも病名のつくような診断はされず、薬を飲んで様子を見るという対応に落ち着いています。その際、何度も聞いた言葉が2つありました。
それが、「ストレスのせいですね」「自律神経の乱れが原因かも知れません」という言葉でした。ストレスを軽減したり自律神経を整えるための対処法は、ストレスの無い規則正しい生活、バランスの良い食事・・・いずれも気の長い対応が求めらるものばかりです。病院に行って薬をもらってすぐに治そう、なんて思っていたらそうはいかないのが不登校とセットで現れる体調不良でした。
「不登校」の兆候が見られたら何から始めればいい?
不登校の始まりのリアルな事例を紹介しました。「さあ、今日から不登校が始まった」と初日(?)からわかるようなものではなく、後で振り返ってみて「あの頃から始まっていたのだな」とわかるものだという感じが、想像とは違う点ではないでしょうか。
Nちゃんママのように2週間で「これは不登校だ」と思えるのはとても早い方で、実際にはもっと長い期間「病気かもしれない」とか「来週からは行けるだろう」とあがいてしまうものです。不登校が増えているとは聞いていても、それはまだまだ特別な子の話だと思っているから・・・。
「不登校の始まり」「気まぐれな行き渋り」「病気」・・・様々な可能性を感じながら、何とも確信が持てないままに始まっていく・・・こんな始まり方だということを知ってもらいたいなと思い、今回の記事を書きました。
不登校は病気ではないので、検査をすればわかるとかそういうものではありません。でも早い段階から「不登校」について調べ始めたり必要な対応を考え始めることができれば、少なくとも「ストレス」から早く解放してあげることはできるはずです。より悪化した状態である「ひきこもり」にまで至らずに済みます。
このコラムではそんな不登校親子の情報収集に役立つ「良質な情報提供」をしていきたいと思っています。ぜひ、他の記事も参考にしてみてください。
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監修者 峰嶋 聡子
コクーンアカデミア代表/株式会社スタディラボ上席執行役員/首都圏大手学習塾にて中学受験算数指導15年/一般財団法人日本アンガーマネジメント協会認定 アンガーマネジメントコンサルタント®/不登校の娘を持つ母/学習塾のノウハウと不登校保護者の視点を組合わせたフリースクールを創業

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