2025年11月7日
【解説】 2025年発表 不登校児童生徒数最新数値から見えたもの① ~不登校増加はひと段落なの?~
毎年10月末に文部科学省から「児童生徒の問題行動・不登校等生徒指導上の諸課題に関する調査」という不登校児童生徒数がわかる調査結果が発表されます。この記事では、調査結果から見えたことを独自の視点で分析しています。
2025年発表不登校児童・生徒数35.3万人
小学生・中学生の不登校児童生徒数はどう推移しているか?
2025年10月末に令和6年度の不登校児童・生徒数の調査結果が発表されました。2024年は発表後に、不登校の増加が大きなニュースになりましたが、2025年発表時は2024年ほど話題にならなかったような気がします。
小中学生の不登校人数は
令和4年度 29.9万人
令和5年度 34.6万人(前年から16%増加)
令和6年度【最新】35.3万人(前年から2%増加)
なので、”激増”と言うほどではなかったから、話題になりにくかったのかもしれません。

参照データ:児童生徒の問題行動・不登校等生徒指導上の諸課題に関する調査(文部科学省)
不登校、本当の増加率とは?~少子化を考慮して算出~
しかし!ご存知の通り、現在は少子化の真っただ中。令和5年度から6年度にかけて小学生は10.6万人、中学生は3.4万人も児童・生徒数が減っているのです。小中合わせると14万人。筆者(コクーンアカデミア代表 峰嶋)の故郷の町は人口2万人だったので、7つくらい消滅してしまう人数です・・・汗。
不登校の人数はその中での増加です。母数が減っている中での増加なので、「割合」は増えているはずです。
そこで、1000人あたりの人数に換算して増加率を計算してみました。

(グラフは文部科学省発表データに基づき筆者が作成)
1000人あたりで見てみた令和5年度から令和6年度への変化は
【中学生】 67.1人→67.9人(1%増加)
【小学生】 21.4人→23.0人(7%増加)
となります。
中学生の増加は確かにゆるやかですが、小学生の増加割合は7%と大きいですね。
不登校人数をわかりやすく解説
数字の話が続いてしまったので、もう少しイメージしやすいよう、別の言い方をしてみたいと思います。
不登校は何人に一人?クラスに何人いるの?
令和6年度の不登校人数を「〇人中〇人」という表現になるよう計算しなおし、さらにクラスに何人くらいか見てみましょう。
【中学生】3,186,476(中学生の人数)÷216,266(中学生の不登校人数)=14.7…
約15人に1人が不登校です。クラスに3人くらいはいる計算です。
【小学生】5,994,493(小学生の人数)÷137,704(小学生の不登校人数)=43.5…
約44人に1人が不登校です。クラスに1人くらいはいる計算です。
不登校、昔はどうだったのか?~親世代との比較~
35年前の調査結果を見ると、不登校の児童生徒数は中学生は215人に1人、小学生は724人に1人でした。学校に1人~2人といったところでしょう。35年前というと現在40代の方は小学生、50代の方は中高校生だった頃だと思います。ちょうど、今、不登校の子どもを持つ親世代にあたります。
学校に1人という存在だと、周囲に不登校の子どもがいたとしても、その存在を知らないまま育った方も多いのではないでしょうか?私もそうでした。しかも、その頃は「不登校」ではなく「登校拒否」という呼称で呼ばれていました。「不登校」という言葉が良いかどうかは別として、「登校拒否」は嫌な表現です。「拒否」している子ども側を問題視する表現でした。
親が不登校を容認するようになったから不登校が増えている?
ところで、不登校の児童生徒が増えている理由について、調査結果には下記のように記されています。
不登校児童生徒数が増加した背景として、児童生徒の休養の必要性を明示した「義務教育の段階における普通教育に相当する教育の機会の確保等に関する法律」の趣旨の浸透や、コロナ禍以降の保護者や児童生徒の登校に対する意識の変化、特別な配慮を必要とする児童生徒に対する早期からの適切な指導・必要な支援や、生活リズムの不調等を抱える児童生徒に対する指導・支援に係る課題があったこと等が考えられる。
大雑把に言うと「休むことは悪いことではないというムードが広がった」といったニュアンスです。(かなり大雑把ですが)
この内容を踏まえて、調査結果に関する報道には不登校が増えている背景として「保護者が不登校を容認するようになった」といった一文が記されているものをいくつか見かけました。確かに端的にまとめるとそういうことになるのでしょうが、当事者としては何とも言えない違和感を感じました。
親世代には不登校の乗り越え方がわからない
「保護者が不登校を容認するようになった」この言葉に対する違和感の正体は、先ほど紹介した親世代と子世代の「不登校」に関するギャップにあるのだと思います。
確かに今は不登校の児童生徒が増えており、珍しいことではなくなってきたのかもしれません。しかし、親世代では「学校に1人」の存在で、しかも「登校拒否」などと言われてしまう問題児童生徒扱いでした。
そのため私たち親世代は、不登校の子ども達にどのような道筋を用意してあげたらいいのか身近な例に触れることができず、答えを持っていません。
そんな答えの無い不安と葛藤の苦しみを抱えつつ、我が子の不登校を受け止めることが「容認」と表現されると何とも軽く感じられます・・・。
筆者が運営するフリースクール「コクーンアカデミア」では、まだまだ理解されにくい不登校親子のこうしたもやもやに向き合うための勉強会を開催しています。また、具体的な困りごと(学習の遅れなど)の解決につながるようなプログラムを提供していますので、よろしければ他のページも参照いただけると幸いです。
さて、次回は、「不登校」の増加とともに不自然に増え続けているもう1つの数字を紹介します。こちらも独自の視点で分析していきます。
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・コクーンアカデミアについて
監修者 峰嶋 聡子
コクーンアカデミア代表/株式会社スタディラボ上席執行役員/首都圏大手学習塾にて中学受験算数指導15年/一般財団法人日本アンガーマネジメント協会認定 アンガーマネジメントコンサルタント®/不登校の娘を持つ母/学習塾のノウハウと不登校保護者の視点を組合わせたフリースクールを創業

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